WONDERーFULL 2005/7
なんて不思議なこと
あなたは漆黒の天に星を
ちりばめられたと同じやり方で
わたしたちのこころにも宝玉を
ちりばめていかれます
ときにそれは
石火のよう
まだ誰も知らない方法で発火し
しずかな確かさで
あたりを照らし 満たします
わたしは
終り近くなった人生の途上で
そのことに気付き
黙って大きく目を瞠る
(伊丹悦子詩集「朝のいのり」より。)