詩の世界から 2008/4
いのり 伊丹 悦子
朝な朝な
鳥たちは鳴く
ひみつの言葉で
清らかに冴えた声で
森いっぱいに響きわたるように
―イエス・キリスト十字架につけり
われらの罪ゆるすため
清らかに冴えたひみつの言葉で
鳥たちは鳴くまっすぐに
光のように
鳴く
(詩集「泉に行く道」より)
木 貝出 久美子
木は動けないけれど
風が吹くと踊りだす
木は歌えないけれど
風が吹くと讃美する
木は話せないけれど
風が吹くと神を語る
風のない日
木は黙って祈っている
主から受けし 水野源三
今日一日 主から受けし
多くの恵み 人々がみな
床につく この静かな夕べ
讃えても 讃えても 讃えつくせなき
(詩集 「わが恵み汝に足れり」より)