あなた方は、真理に従うことによって魂を清め、
偽りのない兄弟愛を抱くに至ったのであるから、
互いに心からあつく愛し合いなさい。
(Ⅰペテロ一・22)
見えない水によって 2008/5
幅二メートル前後の小さい谷川がある。雨がまったく降らないことが何カ月も続いてもそこには小さな流れが絶えない。ずっと以前に降った雨が山の大地深くにしみ込み、土や岩石や、植物の根などに満ちた地中をゆっくりと通って谷へと向かうのである。
土にしみ込んだ水分は、さまざまの植物を生かし、それがさらに多くの生物の命を支えている。
私たち人間もまた、神の国から流れるいのちの水によってうるおされ、命を保つことができている。神は人間の魂という土壌をうるおす流れを注ぎだしている。しかし、それにまったく気付かずに、渇ききっている魂がなんと多いことだろう。霊的な水は、気付かないときにはその恵みも分からない。しかし、一度そのことに気付くと、山の大地にしみ込んだ雨水がその山肌の数々の植物を生かし、それによってさまざまの昆虫、動物たちをも生かしているように、私たちの魂にしみ込んで、毎日のさまざまの活動を支えているのに気付くようになる。
今もしずかに流れている神の国からの水―いのちの水にどうか多くの人たちが気づき、それによって日々養われますように。