休憩室 (2014年12月)
〇木星
この時期には、木星は夜の
11時近くになると、東の空からあの透明な、強い輝きを見せているので、天気のよい夜には、ぜひ見てほしいと思います。
星座のことがわからずとも、東の低い空にひときわ強く輝く星―それが木星です。
この頃は、オリオン座が南に見え、その左には、小犬座のプロキオン、その下方にはおお犬座のシリウスの強い輝きもあり、その上方には、双子座の二つの明るい星々も見られます。
一年で最も多くの明るい星が勢ぞろいする時期ですが、それらの星座、一等星たちの左(東)側に、そうした明るい星々の締めくくりを担当するかのように現れてきます。
〇遠くて、清い、永遠を指し示す星の輝きと、人間世界のさまざまのきらびやかな装飾―その二つには限りない距離があります。
LEDでどんなに飾りたてても、それは人間の技術のたくみさを示していても、そこにいかなるものによっても汚されない清さ、永遠の美といったものが感じられるでしょうか。
人間が作るものは、一見美しいように見えるものであっても、そこには作った人の人間的な思いが必ず入り込むものです。
しかし、大空の美しさや星々の光には、いかなる人間的な不純なものもなく、あるのはただ創造者たる神の無限の奥深さ、そして清さや力、美だからです。
〇水仙
わが家のある山の斜面には、12月に入ってすぐ、水仙が咲き始めています。夏は、多くの雑草やクズの一面の葉、野生化したツルニチニチソウなどで覆われる上に、こまかな土は流され小石だらけのよくない環境で、およそ、園芸植物など美しい花が増えそうでないところ。それでも、過去10年20年の間に、少しずつ増えて、野生化し、群生しています。
そのたくましさに驚かされるとともに、冬の寒さに向って咲き始めるその姿が印象的です。また、そのような状況で育っていますが、心ひかれる香りを持っていて、その香りをかぐと、一種の霊的音楽のようなものを感じます。
神の言葉もまた、似たところがあります。いかにこの世のかずかずの雑草が生い茂って覆い尽くそうとも、必要な時には、意外な人の心に、また地域に、芽生え、育って、かぐわしい花を咲かせていくからです。
休憩室(2014年11月)
〇木星
去年の冬に見られた木星が 1年ぶりに見えるようになってきました。
11月下旬には、夜の11時すぎには、東から上がってくるのでその強い輝きを目にすることができます。冬の寒さの中で輝く木星の光は、透き通るような感じを与えてくれるものです。
見たことのない方はぜひ、夜遅いですが晴れた夜に東方の空を見ることをお勧めします。
休憩室 (2014年7月)
○7月中旬ころでは、早朝4時ころには、東北東に明けの明星(金星)が輝いています。明けの明星は、このように早朝まだ暗い時から、目を見張るような強い輝きをもって現れるので、古代から特別な注目を受けてきました。
新約聖書においても、最後の書である黙示録のその終章に、明けの明星がキリストを指し示すものとして出てきます。
迫害のもとにあったキリスト者たちは、闇に特別な光をもって輝くこの星を見つめて、キリストがふたたび来られて、すべての悪を滅ぼしてくださるように、そして地上のあらゆる悲しみや苦しみに終りを告げることを切実に待ち望んでいたのがうかがえます。それは、次のように、聖書の最後におかれた書において、イエスの言葉として記されていることからわかります。
「私は輝く明けの明星である」
黙示録22の16
休憩室(2014年4月)
最近の夜空 火星と木星ほか
春らしくなった最近ですが、夜の星空も春の星座と、いくつかの惑星の輝きが心を惹きます。
日本海側に住む方々は、冬中は雪雲がいつもあり、星を見るということもほとんどできないかと思いますが、ようやく雲も晴れることが多くなってきたと思います。
夜9時ころには、南西の空高くに、木星が強く澄んだ輝きを見せていますので、だれでもただちに分かります。冬の間もずっとその心惹く輝きを見せてくれていましたが、寒い冬の空を戸外に出て味わうということは多くの人にとってあまり経験していないことと思います。しかし、そうした冷たい大気を貫いて輝くことがいっそう見る者にこの世ならぬ輝きを感じさせてくれます。
東の空には、赤い強い輝きが見えていますので、これもすぐに分かります。これは火星です。木星や火星という名前は子供のときからだれでも学校で学びますが、実際の夜空で見ている人は、驚くほど少ない―学校の教員でも―というのを知らされてきました。まだ見たことのない人は、ちょうど東西の空に、はっきりと見えますのでぜひ見てほしいと思います。そして、天来の光を受け止めてほしいです。
なお、火星のすぐ下方に見える白く輝く星は、春の代表的星座の一つ、乙女座の一等星スピカです。そして、東の空の高いところに橙色の強い輝きの星が、牛飼座の一等星アークトウルスです。
そしてこの時刻には、南の空高くに、しし座の一等星レグルスもよく見えます。
北の空には、大きな杓の形をした北斗七星が見られ、これは多くの人たちも見たことがあると思います。
いずれにせよ、夜空の星は、地上で見られるものとしては最も純粋な輝きであり、それゆえに聖書でもその最後の部分で、とくに明けの明星はキリストを象徴するものとして記されているほどです。(黙示録22の16)
そしてダンテも暗く、恐ろしい地獄の長い歩みを終えて、清めの世界に向うときの描写を星を見上げるということで終えています。
…我を導く者と私は、明るい世界に帰るため、少しの休みも望まず、登り続けた。遂に、天の荷なう美しきもの(星)を見ることができた。そしてそこから私たちは、再び仰ぎ見ようと外に出た。かの星々を。(ダンテ・神曲 地獄篇の最後の部分