|
タチツボスミレ 徳島県小松島市日の峰山 2003.3.31
山を歩いていて最も多く見られるのがこのスミレです。スミレの仲間は多くあり、○○スミレという名前でなく、「スミレ」は濃い青紫の花で、葉もへら型で、このタチツボスミレとは異なっています。春らしさをだれもが感じる野草です。寒い冬の山道にて、こうしたスミレのなかまを見いだしたときに春の近づいたことの喜びを感じるものです。
芭蕉が、「山路きて なにやらゆかし すみれ草」とうたったことを自然に思い出すものです。それは、人間世界の汚れや混乱とは別の世界を暗示するものゆえに、「ゆかし」、つまり心惹かれるものです。
日本のスミレのなかまは55種もあり、『万葉集』にも四首歌われています。そのなかでも、山部赤人(やまべのあかひと)の歌をあげておきます。
「春の野に すみれ摘みにと来し我ぞ 野をなつかしみ 一夜寝にける」(八巻1424)。
内容・目次へ戻る
|
|
ジロボウエンゴサク 2003.4.1 徳島県海部郡
この花は、とくに野草らしい可憐さ、素朴さにあふれた花です。この場所に咲いていたのは、草丈はわずか10cmあまりの小さなものです。注意して見ないと気付かないほどの小さな花ですが、手にとって見るとその素朴な美しさのゆえに心に残る花です。現代のような複雑でさまざまの混乱のただなかにある世にあって、こうした花に出会うと、天からの水のようなさわやかなものを感じます。
なお、この花の名前の由来は、伊勢地方ではスミレを太郎坊と呼び、同じ頃に咲き始めるこの花を次郎坊と名付けたからといいます。延胡索(えんごさく)はこの類の漢名でその音読み。(牧野植物図鑑より)
内容・目次へ戻る
|
|
ジンチョウゲ 2003.3.12
わが家にて
この花の強い香りは、多くの植物がまだ寒さで眠っているように見えるなかで、私たちを目覚めさせてくれるような働きがあります。それだけに日本でも室町時代から愛好されています。香りは一種の魂への音楽のようなもので、よき香りによって私たちの心にもあるさわやかなものが流れ込んでくるものです。
中国原産。和名沈丁花(じんちょうげ)は沈香(じんこ)と丁子(ちょうじ)の花の香りをあわせもつことから。なお、沈香とはインドから東南アジアに自生する香木で高さ二〇メートルにも達する木で、丁字とは、熱帯地域で栽培されている植物でやはり香料を採る木です。
内容・目次へ戻る
|
|
フキノトウ 2003.2.27 我が家にて
白と黄緑色の控えめな花のすがたですが、まだ寒いうちからこのように花茎を立てて春を告げるため、花としても好まれることの多いものです。ウメやスイセンも同様で、寒さ厳しいなかに咲く花というのは、私たちの心にも、あるメッセージを伝えてくれるものです。人間においても、きびしい環境におかれているのに、霊的に目覚めていて、花を咲かせる姿は心惹かれるものがあります。
上の写真にみられる、フキの若い花茎(かけい)をフキノトウといい、葉柄とともに食用、薬用に用いられます。若いフキノトウはみそ汁などに入れると独特の春の野の香りと味わいがあって、好む人も多いようです。
内容・目次へ戻る
|
|
紅梅
我が家にて 2003.2.11
この紅梅は今は亡き父が二十年以上前に植えたものです。低い山を少し上ったところにある我が家には野草や自然の樹木が多いのですが、そのなかに梅の木も植えられたのです。毎年この冬の一番寒さ厳しいころに、美しい花を咲かせてくれます。真冬でもあり、多くの野草たちや、樹木も多くは葉を落として枯れたようになるただなかで、その花によって生き生きとした力を感じさせてくれるのが梅です。ほかのほとんどは春から秋にかけての暖かい季節に花を咲かせるのに梅は厳冬期に、ひとり花を咲かせる姿は心惹かれるものがあります。
内容・目次へ戻る
|
|
ウメ
冬の花といえば、多くのひとが心に思い浮かべるのが、ウメとスイセンでありましょう。そしそれらはあるすがすがしいものを私たちの心に与えてくれます。それは厳しい寒さのただなかに花開くこと、香りよきことの故と思われます。
人間もなんらかの厳しさの中に置かれ、そこを通ってくるのでなかったら、花開くことができず、実をつけることもできないのだと感じます。花の少ない寒さ厳しいときにあって、これらの花は、心を近づけるものにたえず新しいメッセージを与えてくれています。
内容・目次へ戻る。
|
|
マンリョウ 2002.12.30 我が家にて
マンリョウの赤い実は、冬場に大きな木の実がなくなる頃に、小鳥たちの餌となっています。
山野の林下にはえ,観賞用として栽植される常緑低木。高さ30~60cmになります。
山を歩いているとところどころにこの赤い実がなっているのが見付かります。花のない冬の寒いときに、山のところどころを彩る植物です。花は地味な小さいものですが、実となるとこのように目立つようになります。葉の端部は波打っていて他の多くの葉にない特徴があります。そんな小さな植物の一つ一つにも神のわざが感じられます。
内容・目次へ戻る。
|
|
カラスウリ (我が家にて)
いつのころからか、我が家の前のあたりにてこのようなカラスウリが見られるようになった。
花は、白いレース編みのような珍しい花であるが、実もまた赤いよく目立つ色で晩秋を彩る植物と言えるだろう。
自然のなかには、こうした色彩の変化をあざやかに示すのもかなりある。こうした多様なすがたによって、私たちが、それらすべての創造者である、神とキリストに向かうようにと勧めているようである
内容・目次へ戻る。
|
|
タツナミソウ 2002.04.19 徳島県小松島市日の峰山
この名前は、泡立って寄せてくる波に見立てたもので、山の野草らしい自然な美しさをたたえた花です。ふつうは、平地の田畑などには見られないものなので、自然に咲いている姿を見たことのない人が多いと思われます。青紫の濃い花、薄いもの、赤色を帯びたものなどいろいろありますが、この写真のものはとくに鮮やかな青紫の美しいものです。この下側の花びらにはこまかな模様があって、こうした人知れず咲いている野草にも神は、驚くべき繊細な美しさを与えているのを感じます
内容・目次へ戻る。
|