詩文集

「天の扉」

第15集2013年


今日はです。
更新はです。

リストマーク天の扉

 

 神よ、わたしの叫びを聞き

 わたしの祈りに耳を傾けてください。

 心が挫けるとき

 地の果てからあなたを呼びます。

 高くそびえる岩山の上に

 わたしを導いてください。

    

 詩篇 六十一篇  2節~3節

 

 

 

リストマーク新しい扉

 

主イエスに手を引かれながら

この扉を開こう

苦しいできごと

越えられない壁

どうしようもない自分

そのひとつひとつが

大切な扉

そこから必ず

新しい道がはじまる

おそれないで開こう

導かれるのは

全能の主

 

 

 

リストマーク桜の舞

 

夕暮れの国道に

桜の花びらが舞う

帰りを急ぐ車の群れが

美しい舞を吹き飛ばしていく

吹き飛ばされた花びらたちは

排気ガスをあびながら

車道を美しく踊り続けて

過ぎゆく車に祝福を送る

 

 

 

リストマーク主日礼拝

 

集会場の窓から

木の葉が見える

賛美がはじまる

木の葉がゆれる

うれしくなって木々たちが

手拍子とって

一緒に賛美している

 

 

 

 リストマーク朝の扉

 

夜の間

眠りを守ってくださった主は

わたしが目覚める前に

扉の前で立っておられる

きょう一日の祝福をいっぱいかかえて。

静まって

祈りから始める朝

扉は開かれ

きょうの祝福が手渡される

主と共に一日がはじまる

 

 

 

リストマークありがとう

 

風邪で体調が悪い日の勤務

元気なふりして笑顔を作り

気むずかしい患者さんの検温に行く

その女性は、きょうも固い表情

つらい、苦しい、治らない

終わりのない訴えをじっと聴く

そんなときに

急にわたしはくしゃみが出た

何回も出た

「すみません」と言う前に

急に患者さんが起き上がり

わたしの背中をさすってくれた

やさしい手

まっすぐな

心配そうな目をして

 

 

 

 

リストマーク 五月の風

 

五月の風を受けながら

準夜勤務から帰る

真夜中

風はわたしの疲れを飛ばしてくれた

精神科病棟は窓がほとんど開かない

だから風が吹かない

五月の風よ

飛んでいけ

眠れない患者さんたちが

心地よく眠れるように

五月の風よ

今、飛んでいけ

 

 

 

リストマーク空はふしぎ

 

空はふしぎ

見つめるだけで

ほっと

語りかけてくれる

わたしはこたえ

心が通う

空はふしぎ

遠くて近い

 

 

 

リストマーク生きておられるから

 

イエス様が生きておられるから

話しかけることができる

さけぶことができる

聴くことができる

見つめることができる

そして

信じることができる

 

 

 

リストマークヒメジョオン

 

不調な患者さんが多いという申し送り

落ち着かない今日の夜勤

夕暮れに忙しく廊下を早足で歩く

ああ、疲れた

ふと廊下から中庭を見ると

そこに広がるヒメジョオンの

花・花・花

白いしぶきがいっせいにはじけて

そのまま青空に吸い込まれていく

清らかな世界

喧噪の中の天の国

そうだ

この病棟は

この美しい力で包まれているのだ

 

 

 

リストマークケヤキ並木

 

大学病院構内にケヤキ並木がある

その下を通って仕事に通う

学生、医者、患者さん、事務の人

それから

工事の人や営業マン

毎日毎日繰り返される日常

様々な人が今日も通り過ぎる

季節の中で

ケヤキは黙って芽吹き、

小さな葉を伸ばす

新緑に輝いて、それから美しく燃え

木の葉を落して枝だけになる

季節ごとのケヤキの美しさ

気がつくこともなく通り過ぎる人に

神様の愛を伝えている

 

 

 

リストマーク腰痛

 

腰が痛い

動けない

つらい

仕事もあるし

どうしよう

何もできない中で

とても大事なことをしている

それは

つらさの体験

同じ痛みがわかるための

かけがえのない経験

感謝します

ああ

でも痛い

 

 

 

リストマーク光を伝えるために

 

かつて、恐ろしい闇がわたしを吸い込もうとしていた

自分の力では出られない深い淵

しかし、キリストがそこから救ってくださった

この光の世界に

こんなわたしだからこそできることが

こんなわたしにしかできないことがきっとある

闇に吸い込まれていく多くの魂に

ここに光があると伝えたい

その苦しみは必ずひかりに変えられるのだと

そしてあなたは神様に愛されているのだと

このことを伝えるために

主よ

用いてください

 

 

 

リストマーク

 

愛する者の心の中の闇と苦しみを

突然知らされ心が凍った日

つらくて祈った

泣きながら祈った

救いを祈った

ただ祈った

平穏な日々では与えられない

祈りの叫び

気がつくとそれは

なんとわたしを

神に近づけてくれることだろうか

悲しみが

キリストのもとへ行く

橋になる

 

 

 

 リストマークおさなご

 

花が咲いたような笑顔で駆けよって

胸に飛び込んでくる

おさなご

痛いとき、嫌なとき

全力で泣いて訴える

おさなご

何かを見つけてうれしいときも

何かに驚きこわいときも

走り寄って真剣に告げに来る

おさなごを見ていると

ああ

こんなふうに神様に

求めていけばいいんだな

とわかる

 

 

 

リストマーク事実

 

真夜中の仕事の帰り

暗い夜道

車を止めて主に向かう

かなしみたちが押し寄せてくる

家族のかなしみ

患者さんのかなしみ

夜の底

かなしみが押し寄せてくる

十字架よ

ただひとつの救いよ

キリストは復活し

闇の力に勝利された

この事実に

わたしは懸けよう

 

 

 

リストマークアシュラム

 

アシュラムという

聖書に聴き入る集まりで

この世と離れて

主に向かう

忙しすぎる毎日で

見失っていたもの

縛られていた心が

解放されていく

一番大切なことは何なのか

信仰のバッテリーが

静かにチャージされていく

 

 

 

 リストマークそこだけ輝く

 

新緑の木々の中で

柿の木の若葉

そこだけ、まぶしく輝いている

雨上がりの空

雲の切れ目から光が射し

遠い山裾

そこだけ、まぶしく輝いている

ふしぎな聖書のことば

神様がわたしに語りかけてくださるとき

分厚い聖書のなかの

ただひと言

そこだけ

まぶしく輝いている

 

 

 

リストマークよろこび                                          

 

「むしろ、あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」

                             (ルカ十・20

すいこまれそうな青空

その向こうに

わたしの名前が記されている

星の輝く夜も

薄曇りの日も

どんな空の日であっても

その向こうにはわたしの名前が記されていて

主イエスが

覚えて下さっている

 

 

 

リストマーク朝のいのり

 

一日の始め

小さな礼拝

窓辺に向かい天を仰ぐ

まっすぐに主イエスを見つめたら

心の奥の祭壇に

主の灯火がともる

イエス様がいてくださる。

うれしくなってから部屋を出る

主と共に出発する

今日という一日の旅

 

 

 

リストマーク同級生・小さな祈り会

 

地元の中学校の同級生三人

卒業してから遠く離れ、それぞれの道を歩んだ

神様が見えない糸をたぐり寄せ

長い年月の後で再び出会わせてくださった

家族のこと

仕事のこと

信仰のこと

弱さをそのままさらけ出して祈り合えるめぐみ

いい格好などいらない

昔から欠点だってたいして変わらない

神様がすべてご存じだから

ともに聖書を読んで分かち合い

互いのために祈り合う

そのやさしい真実な祈りにふと涙ぐむ

同級生三人の祝福された小さな祈り会

 

 

 

リストマーク白衣

 

白衣に着替えて看護師たちは

つぎつぎと更衣室から飛び出していく

私服をおいて

今から看護師になる

白衣は重い

身につけたときから責任を着る

主よ

お守りください

わたしたちがどうか安全に

心を込めて働く事ができますように

白衣を着るとき

主イエスよ

わたしたちに

あなたを着させてください

 

 

 

リストマーク半月

 

何とか終わった…

忙しかった準夜勤務

ぐったり疲れて更衣室へ

やっと着替え

なんとか車まで歩く

真夜中の空を見上げる

夜空に半月

ぷっかり浮いて

お椀のよう

金色に輝くいのちの水をいっぱい入れて

さあ、お飲みなさいと

主が差し出してくださった

 

 

 

リストマーク夜間の巡視

 

深夜勤務

真夜中の巡視

足音を忍ばせて病室を回る

患者さんの

寝息の音に

ほっとする

それはまるで

木陰を吹く風の音

やさしい波の音

生きている

いのちの音

いのちを守る

天使の歌

 

 

 

リストマークまなざし

 

人のきびしいまなざしが

気になるとき

静まって

主のまなざしを求める

間違っていたら

直そう

悪かったのなら

謝ろう

そして

主のまなざしを

まっすぐに見つめることができたなら

もう

安らかにいよう

 

 

 

 

リストマークフルーツ信号

 

国道192号線

信号がとても多い気がする

急いでいるときは

赤にイライラしてしまうけれど

ちょっと待って

よく見ると

信号もかわいいフルーツキャンディ

赤はいちご

黄色はレモン

緑色はマスカット

けっこうおいしそうにも見えて

楽しい信号

 

 

 

リストマークステージ

 

いちどきりのこのステージの

登場人物は神が決める

生まれたときから

これからも

すべての出会いは神が決める

どんな小さな出来事も

神は選んで与えられる

ステージが終わるとき

登場人物は仮面を外す

実はすべての人たちが

わたしを導くための天使たちだった

 

 

 

リストマークそのままで

 

失敗して落ち込んで

立ち直れなくてあがいている

これもわたし

主にあがなわれた、それでも弱いわたし。

うまくいって喜んでいる

自分の力でできたのではないのに気付かずに得意になって

これもわたし

主にあがなわれた、それでも傲慢なわたし。

そのままのわたしを

贖ってくださっているから

十字架の主を見上げて

わたしも自分を受け入れよう

 

 

 

リストマーク空の旅

 

青い空と白い雲

見つめながら祈る

ずっと見つめていると

こころは雲の中に吸い込まれていく

雲の向こうで主に出会う

部屋の片隅

椅子に座ったまま

心は遠く空の旅

 

 

 

リストマーク風の音になれ

 

今投げかけられた

重い言葉よ

矢のように

わたしの耳から入って

心に突き刺さったけれど

心に立つ主の十字架をくぐり抜け

そのまま

外に出て行け

秋風が木の葉をすり抜ける

優しい風の音に変われ

 

 

 

リストマーク主の御手

 

波の音にも似た大きな風の音

奏でているのは

主の御手

雲が空を流れ大空は色が変わる

描いているのは

主の御手

主が風を動かすと木々が揺れ

菜の花も踊る

この御手によって

人は救われ

生かされて行く

 

 

 

リストマーク仕事

 

主がわたしを愛してくださったように

主がわたしを赦してくださったように

わたしも人を見つめることができたなら

今日一日の仕事ももう少し愛をもてただろう

患者さんたちのいらだちや悲しみを

静かに受け止めることもできなかった

忙しすぎて

追われて、追われて一日が終わってしまう。

わたしはここで何をしてるのだろう、と

立ち止まるまもなくナースコールは鳴り響く

主のまなざしのように静かな愛で

人を見つめることができたなら

主の癒しの中に

苦しむ魂を導くことができたなら

 

 

 

リストマーク眉山

 

仕事が終わって

病院から一歩出ると

ひゃあ!

と声が出るほどに

目の前に美しい眉山

夕日に新緑が輝き

木々はそれぞれに

やさしく風に揺れながら

お疲れ様

お疲れ様

と語りかけてくれる

離れがたく

別れがたく

いつまでも

眉山を見つめているわたし

 

 

 

リストマーク聖火ランナー

 

集まりの

祈りの中で灯火を受ける

大切に右手で持って

掲げて走ろう

おかれた場所に

炎を持ち帰ったら

そこに点火していこう

世界中のすべての地に

霊の火よ

燃え上がれ

 

 

 

リストマーク御手

 

高速バスの車窓に広がる夕暮れの山里

静かに夕日が落ちる

空に飛行機が飛んでいる

優雅にトンビも飛んでいる

バスは走る

バスの中で人はうたた寝したり

世間話をしたり

夕日も飛行機も

トンビもバスも

すべてをキリストはその手で支え

じっと

見つめてくださっている

 

 

 

リストマーク聖霊

 

空を見上げて祈る

ハレルヤ!と

こころから

こころから告げるとき

すっと

流れてくるものがある

ああ

これがなければ生きてはいけない

 

 

 

リストマーク

 

花粉が飛んだり

黄砂が飛んだり

有害物質が飛んだりする

けれど

清らかな

聖霊の風も

世界中で吹いているんだよ

 

 

 

リストマーク木星

 

ざわついた心のままで

夜、ひとり窓をあけて空を見上げた

木星!

光の矢が

まっすぐにわたしに放たれた

目を閉じる

心は瞬間に癒される

 

 

 

リストマーク理由

 

理由なくあたたかく

理由なくうれしい

山積みの問題の中で

理由なく

ほっとしている

主がいてくださるから

 

 

 

リストマーク神様の扉

 

失敗して落ち込んだ

自分の罪に苦しんだ

どうしていいかわからない

閉じた目を

そっと開けると

そこに

扉が見える

神様の扉

そこからわたしは

新しくされていく

 

 

 

リストマーク天の扉

 

はじめに神様が

扉を開いてくださり

キリストと出会わせてくださった

それから

次々と

天の扉が開かれる

それは

うれしい出会いから

そして

苦しい出来事から

もっと深く主を知るために

もっと確かに主を知るために

次々と

天の扉が開かれる

 

 

 小さな詩集が十五集めになりました。

   手にしてくださり、ありがとうございます。

     皆さまの上に、神様の祝福がゆたかにありますように。