真清水に己が心をうつしみぬ (植木道子)
(「神を讃う」新教出版社)
この俳句の作者は東京の「ベテスダ奉仕女母の家」というところで奉仕されている人で、その奉仕のなかで病気となり入退院を繰り返していたころに俳句と出会った。「俳句は、精神の自浄作用である」が持論だとのこと、祈りをもって周囲のものごとを見つめ、それを俳句という短い言葉に凝縮することで、心の清めをも受けているのがうかがえる。
清い水、そこに自分の姿も映るが心も映る。また水からその清さが心へと伝わってくる、心と水の通い合うものがここにある。
心澄むどこまで深き秋の空
青く澄んだ空に神の深い心を感じ、それが自らにも流れてきて清めを受けているのが感じられる。自分の心が混乱していれば秋の空の深みも分からない。心清く保つことで深い秋の空が自分に迫り、その背後の神のお心が伝わってくる。 |
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