○これの世は くるしみ多し わがまぶたつぶれば 涙出てくるかな (杉山義次) ・この作者はキリスト者であったが、深い悲しみをもっていた。具体的にその悲しみが何であったかは分からない。しかし、このような魂の奥からにじみでてくるような悲しみを多くの人はその人生のなかで味わってきただろう。 このような悲しみを主は知っておられる。そしてそのような痛みに耐えかねている魂への愛が、あの山上の教えとして、マタイ福音書の最初の部分にあらわれる言葉である。 ああ、幸いだ。悲しむ者は。 その人は(神によって)慰められるから。(マタイ福音書五・4) 涙のなかから仰ぐ主こそ、最も私たちにしみ通るような慰めを与えて下さる。このことは数知れないキリスト者たちが経験してきたことであろう。 |