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自然の中から 秋田駒ヶ岳から、田沢湖遠望 2012.7.20

秋田駒ヶ岳から、田沢湖遠望 2012.7.20

これは、秋田県で最も高い山、秋田駒ヶ岳(1,637m)の9号目付近からの展望です。青く澄んだ大空、そして、白い雲、静かに水をたたえた田沢湖、さらに緑なす草原状の山の斜面に咲き乱れるニッコウキスゲの群落―それらすべては、人間の手の感じられない大自然の広大さと美しさをたたえています。大空は神の栄光をあらわし、花々は、その御手のわざを示し、湖は、私たちの魂に不可欠ないのちの水を感じさせてくれます。田沢湖は、最大深度は423.4mで日本第一位だとされています。 かつては摩周湖につぐほどの透明度もあったということですが、その後、強酸性の水が流入したことで、魚類もほとんどが絶滅し、クニマスという魚もいなくなっていたのです。しかし、 2010年、山梨県の西湖にて生存個体が発見されたことが広く知られるようになりました。ここに写っているニッコウキスゲは、東北の厳しい寒さのゆえに、冬は氷雪で覆われるような高い山にも自生しており、その強い生命力を感じさせます。花は、ただ一輪であっても、その花びらや色、形、緑ゆたかな葉との調和などなど、私たちに何かを語りかけてきます。

他方、ここに見られるようなたくさんの花々の集りは、神の創造された自然の花園にあって、清いコーラスを歌ってるのが感じられてきます。

いかなる人間の指示も受けず、あらゆる人間的な考えや思いから完全に清められたその花たちは、天上の天使たちが地におりてきたかのような雰囲気を持っています。

青い空と湖、そして緑のなかに浮かびあがる黄色のニッコウキスゲ…こうした自然の姿とその色彩の美しさは人間が持つことのできないものであるがゆえに、強く心を惹くものがあります。 (文・写真ともT.YOSHIMURA

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