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イブキフウロ                         伊吹山 2010.8.6

イブキフウロ  伊吹山 2010.8.6

これは、フウロソウの仲間で、薬草として知られるゲンノショウコもこの仲間です。淡いピンクの花びらの先端が三つに分かれた珍しいもので、北海道や本州中部以北に見られます。伊吹山に見られるものは、日本での西南限となっているとされています。草丈はこれは3050センチ程度です。伊吹山には、このほかにも、ハクサンフウロや、ヒメフウロ、ミツバフウロなど美しいはな咲かせるものがいろいろあり、四国の剣山にもシコクフウロ というのがあります。

これらのフウロソウの仲間のうち、道端にも、よく見られるものは、アメリカフウロソウです。これはごく小さい花で、外来種によく見られる強さ、踏みつけられてもそれに耐えて生きる強さを持っています。また、園芸店によく見られるものは、南アフリカ原産のゼラニウムですが、これもフウロソウの仲間です。

それに対して、この写真にあげたものなどは、寒い地域の山でないと見られないのです。このようなさまざまの変化形は、何のためにあるのか、不思議に思われます。この花のように切れ込まずに丸い花びらのものが同時に同じ地域に見られるのですから、花びらが切れ込む必要は、この植物が生きていくうえでは何も必要がないからです。それ自身が生きていく上で必要がないにもかかわらず、こうした花びらの形や、色、模様、あるいは、茎に見られる細毛の有無など、いろいろと変化があり、 葉のかたちもだいたいよくにていますが、少しづつ異なっています。

そして、薬用となるのは、この仲間のうち、ゲンノショウコのみです。神の創造物には実にさまざまの変化があり、人間においても、さまざまの外見や能力、身体的な特質が異なるのですが、そうしたさまざまの変化ある姿が全体として、創造主の英知と力を表しているのを感じます。

春になると、いっせいに木々は芽吹き、草も成長して葉を広げ、花を咲かせますが、それぞれにみな形や大きさ、色合いなども違っていて、一つ一つの植物がまたそこから出てくる葉もそれぞれに形や大きさも異なるものとして姿を表してきます。

万物の創造の神は、無限の多様性を生み出すお方であり、それゆえに、人間世界においても、いかに人間的な考えでは絶望であり、行き詰まっても、神はまったく新たな道、だれも予想しなかった道を開くことができるのであり、それゆえに、神は、「希望の源である神」(ローマの信徒への手紙1513)と言われているのです。(写真、文ともT.YOSHIMURA

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