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スイセン       わが家の近くの山の斜面にて       2006.1.24

スイセン       わが家の近くの山の斜面にて       2006.1.24

冬の花として水仙は、おそらくだれにとっても愛すべき花の代表的なものの一つだと思われます。その香りのゆえに、またその清楚な気品ある姿に、さらに真冬の寒さのただなかに咲くという精神的な目覚め もしくは寒さに打ち勝つ力を象徴する姿のゆえです。

 この写真の水仙は、数年前から、わが家の少し下のほうに次第に増えてきたもので、夏はいろいろな草が生い茂るし、土地も小石の多いところであり、およそ草花には不適だと思われるようなところですが、この水仙はたくましくそれらに負けないで、年々増えていくようです。

 周囲の雑草とか雑木の類はみんな枯れたようになっているのに、この水仙だけはこのように生き生きとした緑の葉を伸ばし、多くの香り高い花を次々と咲かせています。 このスイセンは、日本水仙とも言われ、房咲水仙(ふさざきすいせん)と言われる仲間に属します。
水仙はイベリア半島,地中海沿岸,北アフリカが原産地と言われ、房咲水仙の他、ラッパズイセンなど、約
30種がありますが、日本水仙と言われるものは、もとはヨーロッパを経て、古い時代に中国にわたり、それから日本にも渡来してきて、野生化したと考えられています。アフリカ北西部にあるカナリー諸島が原産地と記してある植物事典もあります。(「植物の事典」1957年 東京堂刊)
 このように、可憐な花を咲かせる水仙には、はるかな遠い古代に遠く地中海あるいはアフリカ北部地方から地球を大きく旅をして日本に伝わったという壮大な旅の歴史がその背後にあるのです。 わが家の近くの山の斜面に、生い茂る雑草に負けずにたくましく野生化している水仙、そこにはそのような旅を経てきたゆえの強靱さを示しているようです。

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