チングルマ     秋田駒ヶ岳  2013.7.19
チングルマ     秋田駒ヶ岳  2013.7.19  

 この花を撮影した秋田駒ヶ岳は、標高1,637m、全国に多い駒ヶ岳という名前の山のうちでは、最も花の多い山として知られています。北海道の聖書集会の帰途、青森から鶴岡市に向う途中、車で八合目まで登れるので、立ち寄った山です。  

この高山に咲くチングルマは、中部地方から北の北海道やさらに、サハリン、カムチャッカ、アリューシャン列島など寒い北方にかけて咲くという厳しい寒さに絶えて咲くものです。関西から南部では見ることができないのですが、中部以北では高山に咲く花のうちでもとくによく知られているものの一つです。名前は、花の終わったあとの実を付けた姿(小さい写真)が、子どもの遊ぶ風車(カザグルマ)に似ているために、稚児車チングルマ となったといわれています。 

この秋田駒ヶ岳は、活火山で、この写真の近くでは、1970年に噴火が生じています。この写真でも赤茶色の火山特有の土が写っていますがそこに残雪が少し見えます。

高さは10センチほど、白い花をたくさんつけ、群生し、大群落をつくることもあります。火山の溶岩が風化してできた荒々しい地であっても、このように可憐な花を咲かせる神のみわざに驚かされます。 荒れ野に花を咲かせる神(旧約聖書 イザヤ書35章)を思い起こさせるものがあります。 

私たちの感覚では草花といえば、春の温かい季節を思いだすことが多いのですが、半年以上も雪が溶けないとか氷点下数十度にもなるような厳しい環境にある北国の高山やアリュウシャンなどでも咲くという強い生命力が、この小さな花々の中に宿っているのです。 これは人間にも言えることで、弱々しい病気がちな人、あるいはずっと寝たきりのような方々が、信仰を固く持つことによって、元気な人以上に強い精神力を持っていることもあります。神は、使徒パウロに次のように語りかけました。
(神の)力は弱さの中でこそ、十分に発揮されるのだ。」  

そしてこの言葉を受けて使徒は、弱さや困難、迫害のなかにあっても満足していると言い、「わたしが弱い時にこそ、わたしは強いからである。」と述べています。(新約聖書コリント信徒への第二の手紙129-10

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