ツマトリソウ(端取草       福島県吾妻山(あづまやま) 2013.7.22 
ツマトリソウ(端取草)       福島県 吾妻山(あづまやま) 2013.7.2

このツマトリソウは、本州、北海道、そして四国の高山にも分布すると記されていますが、四国の山々では私は見たことがなく、この吾妻山で初めて見る機会を得ました。この山は、吾妻連峰とも言われ、山形県と福島県の県境にある火山の山々の総称で、最高峰は西吾妻山(2,035メートル)。

この花のあった地点は、標高1700mほどの高さで、近くに湿原や小さな湖と言えるような鎌沼も広がっています。この花はサクラソウ科で、ほかの多くのサクラソウは、赤紫色の美しいものが多いのですが、これは純白の花です。花びらの先端が赤く縁取られるものがあるので、端取草の名があるといいますが、この写真のものには見られません。

高さは、15㎝内外で小さなものですが、草むらや山道のかたわらに純白の花の姿は、高山の山道を歩くものに天来の滋養となります。この花は、じっと見るものを見つめ、語りかけてくるような雰囲気をたたえています。その語りかける言葉は、この植物を創造された神に由来するものゆえに、かぎりなく清いものがあり、それゆえにこうした高山の野草にとくに心惹かれます。

聖書のなかに、「わたしの罪をぬぐい去って清めてください。雪よりも白くなるように。」(詩篇517)とあるように、はるか数千年の昔からこうした純白のものは私たちの罪の汚れからの清めへと心を引き寄せるものがあります。 (文、写真ともT.YOSHIMURA

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