リストボタン休憩室    2007/4


カラタチとフジ
わが家には、父が数十年前に植えたカラタチの木があり、今その白い花を咲かせています。子供のときは、どうしてこんな鋭いとげのある木、しかも実も食べられない木を植えたのだろうと思っていたものです。
そしてそこにいつのころからか野生のフジの木が絡まり、カラタチとフジが同時に美しい花を咲かせるようになりました。父は九年前に召されたけれども、こうして植えた木は花を咲かせ続けています。
よき書物も、数百年前に生きた人であっても、よい書物となって今も目には見えない花を人々の心の中に咲かせ続けているわけです。私自身ふりかえると、今日までの長い年月、そうした花の美しさをくみ取り、香りによって力付けられ、蜜を取り入れて自らの栄養としてきたことを思います。とりわけ聖書は世界の至るところで、数千年にわたって無数の人の魂のなかにうるわしい花を咲かせ続けてきたのだ言えます。

フジについて
五月に山間部を車で走っているとあちこちに、フジが青紫の美しい花を咲かせています。その野生のフジは同じでなく、花が房のようになっているのを花序といいますが、その長さが2090cmほどもあり、つるは右巻き、また花も房の元の方から咲き始めます。これがフジ、あるいはノダフジというフジです。
しかし、それとちがって、花序が1020cmと短く、つるも左巻きで、かつ花はほぼ一斉に咲き始めるフジがあります。これが、ヤマフジというものでどれも同じように見えますが、少し注意して見るとこの二つはすぐに区別できます。 それから、夏に咲く白いフジ、これはナツフジといって花序も花も小さめです。このように、野生のよく見られるフジにもいろいろと神は変化をもたせているのがわかります。


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