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ヨツバシオガマ、 キンコウカ (金光花)      乳頭山(標高 1478 m への道にて。  2014.7.25撮影

ヨツバシオガマ、 キンコウカ (金光花)      乳頭山(標高 1478 m) への道にて。  2014.7.25撮影

(乳頭山遠望、 上の花は、下の写真を撮影した田代平という高層湿原地帯で見られたもので、撮影地点は標高1200mほど) 

 

乳頭山は、その南部にある秋田駒ヶ岳とともに古くから知られていた山ということで、登山口には、秘湯として有名だという乳頭温泉郷があります。しかし、そこからの登山口の標識もなく、付近をいろいろ探しても分からないので、付近にあった温泉旅館の人に尋ねてようやくわかったので、これは人があまり行かない山だとわかりました。

予想どおり、そこから稜線に登って乳頭山への縦走路を歩き(上の写真はその道での撮影)、登山口の温泉のところに帰るまで、誰にも会わないという静かな山と植物たちのなかでの数時間でした。

  乳頭山は奥深い山で、それだけにその静けさのなかで咲いていた高山植物たちの語りかけがいっそうはっきりと感じたものです。ここにあげたヨツバシオガマは、四枚の切れ込みのある葉が、階段状に付いていて、その上に赤紫の花が咲いています。これは中部以北から北海道の高山の湿地に見られるもので、四国や近畿の山々では出会うことがなかった花です。 (徳島の剣山には、シオガマギクの仲間としては、トモエシオガマやコシオガマなどがあります。)

そして周りに咲いている黄色の花もやはり中部以北や北海道の高山の湿地で見られる花で、星型の黄色い花が特徴的で、金色の光の花ということで、金光花と言われます。

花の形も葉の形や色合いもさまざまで、高山の風雪厳しいところで、夏の短い間にこうした花々がそれぞれに個性を表し、創造主の無限の英知と美を見るものになげかけているのを思います。

こうした実際に咲いている花や周囲の清い光景は、私たちの精神の世界へと広がっていくものです。

旧約聖書の預言者が啓示を受けて語ったように、神との深い結びつきが回復されたその暁には、かつては荒れ果てた状態であっても、その民族に、その地域に、そしてそこに生きる一人一人の心のなかにこうした花のごときうるわしいものが咲くというのです。

 

荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ、砂漠よ、喜び、花を咲かせよ、野ばらの花を一面に咲かせよ。(イザヤ書351

 

現実のさまざまの問題があるこの世の荒野にあって、私たちの心の内にもこうしたうるわしい花々、青い空、緑の草原が広がっていくようにと願っています。 (文・写真ともT.YOSHIMURA


 (乳頭山遠望、 上の花は、下の写真を撮影した田代平という高層湿原地帯で見られたもので、撮影地点は標高1200mほど)

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