伊吹山とは、滋賀県の北部と岐阜県の境にある山で、標高1377m。高さはそれほどでないにもかかわらず、数多くの高山植物とみなされる花々がさいています。
私は、40年以上前に、紀伊半島の大峰山系を南部の熊野の方まで、7月に1週間近くかけて奈良の吉野山から縦走したことがありますが、高山植物と言えるものはほとんどみられず、また全体的に雨の多い森林地帯なので花々はわずかだったのを思いだします。(そのかわり鳥類が多く、コマドリの高いさえずりを初めて聞いたのもこの大峰でした。)
また、鳥取の大山や四国の剣山、石槌山やそれらに通じる縦走路、あるいは九州の山々も、高山植物といえるものは少ないのです。その点から見ても伊吹山は高山植物には、特別に多くの多様性ある植物が自生しています。
樹木や草花は、黙してその力や美を表しつづけています。そして神により創造されたものゆえに、神の無限の英知がそこに宿され、私たちに語りかけています。
静まれ、そして見よ、聞け!…という呼びかけが聞こえてくるようです。 (文、写真ともT.YOSHIMURA)
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