シラネアオイは、高山に咲く花として、とくに愛されているものの一つです。その柔らかな淡紅色の花と大きな葉、それらは、見るものの心を包み込むような柔和さがあります。
この花を見るために、高い山に毎年のように登るーといった人の文を読んだことがあります。花にそれほどの関心がもてない人には、時間と費用、そしてエネルギーを注いで、単に特定の花を見るために登るーなど考えられないのではないかと思われます。
しかし、愛する花は、一目見るだけでも心がどこか満たされるーということがあります。次は、「星の王子さま」にある言葉です。
…だれかが、200まんの星のなかにもふたつとない、どれか一輪の花を愛するようになったなら、そのひとはきっと、星空をながめるだけで幸せになれる。『あのどこかに、ぼくの花がある……』って思えるから。…
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