タカサゴユリ 徳島県小松島市日峰山にて 2008.8.18 |
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この百合は、書物には関東以西の地方に分布すると書かれてありましたが、最近は東北地方にまで広がっています。今年7月に福島県を訪れた際に、自生しているのを見出したことがあります。私たちの地域では白いユリの仲間では最もひろく見られます。8月はじめに近畿の集会からの帰途、淡路島から鳴門大橋に近いところの平地にたくさん群生していたのを目にしました。さまざまの夏の生い茂る草にもまけず、また切り崩しのやせた土地でもたくましく育つユリです。花の長さは20~30センチほどになります。域によっては香りのないのもありますが、わが家の近くに自生しているものはよい香りがあります。この写真は雨上がりのときであったので水粒を付けて、いっそうその生き生きといた美しさが感じられます。このタカサゴユリというユリの名前は、台湾が原産地だからです。台湾のことを昔の日本人が高砂国といい、そこに住む人々を高砂族といっていたのでそこの原産のユリをタカサゴユリというようになったので、その意味は「台湾百合」ということになります。 |
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これと似たテッポウユリは日本の南部の島々、沖縄や種子島、屋久島などが原産地で、その地域には自然に海岸の崖などにも生えているとのことですが、ほかの地域では野生化することはないようです。 白い百合はその純白の気品ある姿や香りのよさのゆえに、キリスト教では復活の象徴としてよく用いられます。 この写真のタカサゴユリは、樹木やほかの草が茂るなかでも成長して美しく花を咲かせていました。復活ということは私たちの最終的な希望ですが、その最も重要なメッセージを花の純白に託して私たちに送り続けています。(写真、文ともに T.YOSHIMURA) |
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