トカチフウロ(十勝風露) 北海道 大雪山 2009. 7.21 |
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この野草は、大雪山系の黒岳(1,984m)への頂上に近い登山道にて咲いていたフウロソウの仲間で、チシマフウロ(赤紫色)の白い色のまさった変種です。これは北海道の中央山地に多いとのことで十勝地方の地名をとってその名とされています。フウロソウの仲間にはよく知られた薬草であるゲンノショウコがあり、徳島県の剣山の1500メートル以上の一部の山域には、シコクフウロという赤紫の美しい花が夏に見られます。 この写真のものは、はるかに周辺の山々を見下ろすような高山にあって、このように柔らかな 色調の花びらをつけ、静かに咲いている様子には、高山の厳しい気候に耐えてきたこの野草の内に秘められた力を感じさせてくれます。地上とはことなる天の国のような清い雰囲気に包まれた北国の高山、その大気のただなかで育ったこの野草たちに接して、私たちも、日々、神の国の風に触れ、育てられたいと願うものです。(文、写真とも T.YOSHIMURA) |
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