ツバキの花の奥には、甘い蜜があります。
蝶や、蜂などの昆虫がいない冬であるゆえに、小鳥たちによって受粉してもらうのに都合のよいように、たくさんの蜜があります。
英語名を、Japanese rose(日本のバラ)と言います。
ツバキは、寒さ厳しいなかに、他の木々の花に先駆けて明るい大きな花を咲かせて春をつげるので、古くは神聖な花だとされ、春を告げる木、という意味で「椿」という漢字が日本で作られたということです。
このツバキの実から採取される椿油は、頭髪用だけでなく、薬用、食用、潤滑油ともなり、さらにその木そのもの(材)も、長寿の木として大切にされ、美術工芸にも広く用いられたということで、その花のよく鮮やかなことや有用性から、古代からよく知られていた日本の花木の代表的なものと言えます。
現代では、ツバキのこうした有用性は忘れられ、単に花だけの樹木と思われていますが、さまざまの用途があるように、神は創造されているのがわかります。 (文・写真ともに T.YOSHIMURA)
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