ハマダイコンと大里海岸 徳島県海部郡海陽町 2009.3.10
この植物は、徳島県南部の高知県境に近いところにある、2キロ余りも続く広大な海岸にて見出したものです。遠景の海は、太平洋です。月に一度の小集会のために訪問した帰りでの撮影です。この日は、久しぶりの青空のもと、誰一人いない美しい砂浜の広がるところに、今年初めて咲き始めたハマダイコンがあったのです。まだ春先なので20センチほどの高さで、花びらは淡い紅紫色の美しいものです。この植物は、海岸に力強く打ち寄せる波を見つめ、その波音に聞き入りながら花を咲かせている感じがしました。
海からの強い風を受けつつ、肥料もなく、夏には40度を越える高温の砂地であるにもかかわらず、たくましく育つこの野草は、花もまた美しいものです。野性の強さのなかに、繊細な花びらが印象的です。
ほかのほとんどの野草たちはこうした厳しい環境では、育つどころか、芽生えることもできないのですが、このハマダイコンはそうした環境にも耐えて芽生え、育って花をつける力を与えられています。
人間においても、どのような困難な状況に置かれてもなお、たくましくその魂のなかに繊細なよきものが芽生え、育って花を咲かせることが見られます。無から有を生じさせる神にとっては、不可能なことはないからです。
現代の精神の荒野にあっても、私たちも神からの力を受け、たえず新たなよきものの芽生えと成長を与えられたいと願います。 (写真、文ともにT.YOSHIMURA)
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