この植物の名前にある ウコン(鬱金)とは、インドなどの熱帯アジア原産の多年草で、ショウガの仲間です。その根茎を薬用、また香辛料や染料として古くから利用されてきました。このウコンで染めた色は深みのある黄色です。そこから、このウツギの名前も作られています。なお、桜の仲間にも、ウコンといって黄色の花を咲かせるものがあります。「ウコン色の花を咲かせるウツギ」
といった意味です。
今回掲載したウコンウツギは、高さは1〜2m程度で、分布は、岩手や青森の山岳地帯、そして北海道やシベリアに至る北方にみられる樹木。本州に住む大多数の人にとって、この花を実際に見ることはできないわけで、ここ大雪山にては豊かに咲いているのを見ることができたのは恵みでした。このウツギの仲間は、四国でもヤブウツギ、ハコネウツギなどありますが、下の写真にあるような一面に咲いている群生などは見たことのないものでした。
寒さ厳しいなかを好んで咲くこのような樹木の花、ここにも神の創造の豊かさを知らされるのです。 (文、写真とも T.YOSHIMURA)