秋田駒ヶ岳自体は、高山植物のとくに豊かな山で多くの人々が訪れますが、この花を撮影した地域は、道の一部崩壊のために、下山危険個所となっている道の途中であったため、ほとんどの人は訪れない静かな道だったのです。
人の声や姿もなく、ただ神の直接に創造された白い花が神を賛美しているーという光景に、しばしたたずんでその姿と声なき声に耳を傾けました。
こうした高山の植物は、たしかに、この世の闇とは無縁の神の国の光を感じさせるものです。
人間が植えたのでもなく、人間の考えで美しくしようとしたのでもなく、また人間なら美しく着飾って
人に見てもらおうとするけれども、そうした気配はみじんもなく、ただ、大自然のなかで、静寂のなかでその清さと美とを注ぎだしていたのです。
人間の世界は、昔からどこまでいっても罪深いもの、しかし、こうした自然は、罪なき世界ー神の国を指し示しています。(写真、文ともにT.YOSHIMURA)
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