はこ舟 2002年11月号
内容・もくじ
秋
心の平和と社会的平和
沈黙はうみだす力
王の中の王
植物の効果
休憩室
ことば
返舟だより
秋 2002/11
空が青く澄み渡るとき、雲もいっそうその白さが目に映える。
そしてその高くに浮かぶ雲からも、青い大気からも透明な何かが伝わってくる。
吹く風が冷たくとも、その汚れなき空気に触れていると心まで清まる思いがする。
秋の深夜、しずかにあたりが寝静まっているなか、夜空の星の輝きが天からのものに思えてくる。
オリオンの明るい星々が上り、シリウスの強い光や木星の澄んだ輝きも見えてくる。それは目に見えるどんなものよりも清い世界を映し出している。
たしかに星の世界は、神が私たち汚れたところにいる人間を、ご自分のところへと呼び戻そうとするために作られたように思われる。
月なき み空に きらめく光
ああその星影 希望のすがた
これは讃美歌312番の「いつくしみ深き」の曲を借りて、日本で中学唱歌として今から百年ちかく前に発表された「星の界(よ)」のはじめの部分である。
たしかに星は、神がこの無限の宇宙を創造し、支配されていることに思いを新たにし、その大いなる力に頼ろう、その清さによって心を清めて頂こうというあらたな希望を起こしてくれるものである。