聖なる単純 2002/12
闇夜の光なる星ー清さ
青一色の大空ー深さ
川の水の流れーいのち
いずれも、単純そのものである。
星は音も立てない、何千年も変わることなく全く同じような光で輝いている。なんの飾りもなく、ただ暗闇のなかで光を放ち続けているだけである。それでも不思議な力をもって、はるか昔から無数の人々の心を引きつけてきた。
澄み切った青空、それはただ青い色が空一面に広がるだけである。それが私たちの心に人間世界とまったく異なる深みのある世界を指し示してくれる。
水の流れ、それは透明でただ同じように水音をたてて流れているのみ。その単純な有様が心にいのちを与え、心にしみ通る音楽となって聞こえてくる。
深いものは単純である。ただ光り続けているだけなのに、衣装、飾り付けなどのいかなる人間的な装飾にもまして清い美しさを放っている。
神は単純さをうちに秘めている。
それゆえ、私たちもそうした単純さをもって見つめるときに、最も神の本質に近づける。
主イエスがつぎのように言われたことの意味の深さを感じさせられる。
「幼な子らをわたしのところに来るままにしておきなさい、止めてはならない。神の国はこのような者の国である。
よく聞いておくがよい。だれでも幼な子のように神の国を受け入れる者でなければ、そこにはいることは決してできない」。(ルカ福音書十八・16〜17)