詩の世界から 2006/11
星の光を
貝出 久美子
雨のように降り注ぐ
この清らかな星の光を
天を仰いで両手に受けよう
あふれるほどに光を受けたら
この世の闇に届けに行こう。
夜空の闇の深いほど
この世の闇の深いほど
星の光は強く輝く
キリストの光は強く輝く(詩集第四集 「ともしび天使」より)
星
伊丹 悦子
ひとつの星を
胸に抱いて生きる
だれに言われたことでもないけれど
しずかに
しずかに
しずかに
だれの心にも
澄んだ かすかなあの声が
きこえるように
ひとつの星を
胸に抱いて眠る
くらい夜にも輝きわたるように
真(まこと)に美しいものよ
だれのこころの内側にも
宿ってください
(貝出、伊丹両氏とも徳島聖書キリスト集会員)
星は輝く
…星はおのおの持ち場で喜びにあふれて輝き、
神が命じると、「ここにいます!」と答え、
喜々として、自分の造り主のために光を放つ (旧約聖書・続編 バルク書三・34~35)
The stars shone in their watches, and were glad;
he called them, and they said, "Here we are!"
They shone with gladness for him who made them.
・星の輝きを見てこの著者は、輝かしい喜びがそこにあるのを感じ取ることができた。ふつうに見ていればそのような喜びなど、到底星の光のなかに感じられないだろう。神の御手に触れていただいた魂は、星にすら、神の喜びが満ちているのを知っていたのである。
煉獄の旅を終えて
私は新緑の木の葉を新しくつけた
若木のような清新なすがたとなって、
聖く尊い波の間から戻ってき、
星をさして昇ろうとしていた。(ダンテ作 「神曲」平川訳 煉獄編の最後の部分)
さて、かのいとも聖なる波より引き返したる我は、
あたかも新しき葉をもて
新しくされたる新しき草のごとく、
天上の星にのぼりゆくにふさはしく、
清らかなりき。(「神曲」生田長江訳 一九二九年 新潮社版 世界文学全集より)