リストボタン休憩室   2008/3


梅とメジロ
三月となって梅の花も終りに近づいていますが、わが家の梅の木々にはメジロが毎日やってきては花の蜜を探し求めて枝から枝へと飛び回っています。
昔から梅にウグイスと言いますが、もう何十年と梅の木がわが家の前にあるので、いつも観察できますが、梅にウグイスが来てさえずるといったことはほとんどないと言えるほどです。だいぶ以前に、灌木から飛び移ったのがたまたま梅の木であったから、そのとき初めて梅にウグイス、という光景に出会ったぐらいです。
ウグイスは、冬の梅の木々のような葉もなくよく目立つようなところではなかなか見られないものです。冬は地味な地鳴きをしているし、春になるとよく知られた美声で歌いますが、それは必ずといってよいほど、低い木々のしげみの中から声がします。ウグイスの声は聞いたことがある人は多くとも、その姿を目の前で見たことのある人はごく少ないはずです。
だれからも見えるところで歌い、自由に飛び回るメジロ、それに対して人から見えないところでさえずるウグイス、それぞれの個性があります。
人間も、多くの人の前で語り、あるいは歌い、演奏したりする人とともに、隠れたところで祈りの声、声なき声を響かせている人もいます。神はそうしたさまざまの人を神の国のために用いられるのです。


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