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夕焼けの中に入って

あの美しい夕焼けの
真ん中に入って立ち
耳をすませば何が聞こえるだろう
息を吸い込めばどんな香りだろう
しずかに目を上げると
立たれているのは誰だろう

静かに

夕暮れにじっと山を見た
動いていないと思った山は
木々が静かに揺れていた

夕暮れにじっと空を見た
動いていないと思える雲は
静かに流れていた

夕暮れにそっと祈った
祈っても何も変わらないと思えるようなときでも
神は静かに働いておられる
(貝出 久美子詩文集 第十集「風に歌う」より)


おおいなる時

さやさやと
山陰のねむの木の一群が
風のピアノを弾いている
躍り上がっては
またしずかに

その手は
奏でる ある旋律を
神さまの曲を
まだ誰も聞いたことのない
その手は奏でる永遠の曲を
そしてやさしく打つ
わたしの魂の鍵盤を

なんとしずかな
じかんのせせらぎ
わたしは神のおおいなる呼吸のなかで
だれに告げよう
ゆめを見るようにその旋律に耳を傾け
この時を視る
(伊丹 悦子詩集「いつかの空」より)

(貝出、伊丹両氏は徳島聖書キリスト集会員)


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