2010 年7月号 593号
特集 第37回 キリスト教四国集会記録集


わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。
わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。

(ヨハネ福音書十の二七)


リストボタン 真理の波動

巨大津波は、太平洋を時速七百キロにも及ぶ速さで進んでいくという。水そのものが動いていくのでなく、波の動き、そのエネルギーが伝わっていく。
真理の力もまた波のようである。
キリストは二千年も昔のイスラエルで生まれ、育ってそこで死した。キリストが歩き、住んでいたところはイスラエルで、世界の中ではごく小さな点のような狭いところであった。
しかし、そこを震源として生じた巨大な目に見えない波は、周囲の真理に背く力、闇の力を壊し、愛と真実の力へと変革しつつ、世界へとその波動は伝わっていった。
現在のようにインターネットやテレビ、ラジオといった迅速に伝える手段もなく、かえって厳しい迫害を受けて伝えることに重大な支障があったにもかかわらず、それらすべてを大波のように越えて、地中海全域に波及していった。
ネロ皇帝のキリスト教徒への迫害は、イエスの死後三十年ほどであったが、皇帝が迫害を指揮せねばならないほどに、すでにその頃、ローマ帝国の広大な地域に広がっていたことを示すものである。
二千年の歴史において、世界の各地で、―日本もそうであったが―、キリスト者である人間はしばしば監禁され、あるいは殺されても、なお、神の言葉は巨大な波のように広がっていった。それは聖霊の風が吹きわたったからであった。
神の言葉には地上のさまざまの障害物を越えて、すみやかに伝わるということは、すでに旧約聖書にも預言的に記されている。

「主はその仰せを地に遣わされる。そのみ言葉はすみやかに走る。」(詩篇一四七の十五)

私も四〇年余り前にそのキリストの愛の波を受けた。そしてほかのどんなものにもない神の国のエネルギーを感じた。そしてそれを少しでも伝えたいというのが以後の気持ちになった。
真理は、このように波及する。深くその波を受け取ったときには、そこから新たな波が周囲に向かって生まれていく。私たち一人一人も神の愛を深く受けて、それが新たな波となり、周囲に及んでいくようにと願ってやまない。


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