行く手を示す神
まことに憐れみ深いあなたは、
彼らを荒れ野に見捨てることはなさらなかった。
昼は雲の柱を取り去ることなく行く手を示し、
夜は火の柱を取り去ることなく行く道を照らされた。
(ネヘミヤ記 9:19)
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聖書に記されている神は、行く手を示す神。
私たちはつねに行く手を案じます。
この先どうなるのか、ゥ分自身のこと、家族、親族のこと、
友人のこと、病気やいろいろの悩みで苦しんでいる人のこと、
そして、日本やこの世界の行く手はどうなるのかと。
科学技術がこのまま進んでいったら行く手はどうなるのかと。
いろいろと知れば知るほど、そして考えれば考えるほどに、私たちの行く手はいろいろな阻むものが現れて、どうにも道が開けていかないように感じることもあります。
しかし、神はそうした行く手を示し、導かれる方。
立ち止まりそうになる私たちの歩みの前方に光を照らし、
ゆくべき道を指し示して下さり、手をとって導かれる。
この導きの光がわかるようになるかどうかは、ただ私たちが神の全能に堅く信頼し、
委ねていくかどうかにかかっています。
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神こそ希望
与えられたこの生涯はわずか、手の幅ほどのもの。
御前には、この人生も無に等しい。
ああ、人は確かに立っているようでも、すべて空しいもの。
ああ、人はただ影のように移ろうもの。
ああ、人は空しくあくせくし、だれの手に渡るとも知らずに積み上げる。
主よ、それなら何に望みをかけたらよいのか。
わたしはあなたを待ち望む。
(詩編39:6~8より)
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私たちの生命、生活、そして生涯はじつに小さく、はかない。病気や事故にあえば、たちまち消え去っていく。静かに過去を振り返るとき、それらは次々と時間という大波の彼方へと消えさり、最後は死によって、一切は飲み込まれてしまう。
まわりのすべては影のようにもろく、移ろいゆくものでしかない。
こうした目に見える事実だけを冷静な心で、前にしたときどうして生きる意味を見いだすことができるだろうか。
しかし、このような波間に消えていくもののただ中に、不動の岩がある。
私たちは目に見えるものには希望を持てない。すべて消えていくのだから。
しかし、決して消えないもの、時間を超え、あらゆる移り変わりを超えて変わることのないものが私たちの前にある。
真実にして愛なる神こそ私たちの真の希望。
大切なものが消えていくのを前にして、私たちが力失うとき、永遠の岩なる神を見つめるとき、再び新しい力が与えられる。
自分の弱さと、世の不真実に心暗くなるとき、神を仰ごう。
そこからふたたび光が射してくる。
この世界に希望を失った心にも、神は夜空の星のように不滅の希望を与えてくれるのだから。
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アサは彼の神、主を呼び求めて言った
アサは彼の神、主を呼び求めて言った。
「主よ、あなたは力のある者にも無力な者にも
分け隔てなく助けを与えてくださいます。
わたしたちの神、主よ、わたしたちを助けてください。
わたしたちはあなたを頼みとし、あなたの御名によって
この大軍に向かってやって来ました。
あなたはわたしたちの神、主であって、
いかなる人間もあなたに対抗することができません。」
(旧約聖書・歴代誌下 14:10)
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聖書に示される神は、どんな弱い者、低い者にも差別なく、助けを与えて下さる。
これは、新約聖書において完全に示されるようになりましたが、上にあげた言葉のように、旧約聖書においても、言われています。
私たちは、この世にある闇の力が大軍であることを、何となく知っています。それは、周囲の至る所に迫っているからです。
家庭にも、学校、職場にもまた、政治や宗教においても、新聞に載って報道されるのは、さまざまの悪の力がどんなにはびこっているかということです。
また、そのような闇の力は、私たちの家庭にも、一人一人の心のなかにも知らず知らずのうちに入り込んできます。
そうした意味でまさに、それは「大軍」なのです。
しかし、私たちには、そうした勢力に対抗する力が与えられています。それこそ、宇宙の創造主である神の力です。私たちがいかなる状況に陥ろうとも、そこから心から叫ぶときには、必ず万能の神の力で迫り来る悪の力から救い出して下さるのを感じます。
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たとい私が倒れるとも
しかし、わたしは主を仰ぎ見、わが救の神を待つ。
わが神はわたしの願いを聞かれる。
わが敵よ、わたしについて喜ぶな。
たといわたしが倒れるとも起きあがる。
たといわたしが暗やみの中にすわるとも、主はわが光となられる。
(ミカ書7:7~8)
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人の敵が私たちの家族となることすらある。しかし、そのような耐え難いときであっても、救いはあり、力は与えられる。それは主を仰ぎ見ることであり、神を待ち望むことです。
神は永遠のいのちの神であるゆえに、その神にかたく結びついているかぎり、倒されても再び立ち上がることができます。
ひとたびは闇に突き落とされたという苦しいときにも、ふたたび主が光を送って下さる。
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耳を開かれる
神は苦しむ者をその苦しみによって救い、
彼らの耳を逆境によって開かれる。
(ヨブ記 36:15 口語訳)
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神は私たちの内なる耳を開こうとされるとき、苦しみや逆境を用いられるといいます。
また、苦しみはそれで終わることなく、苦しみは神を仰ぐものにとって必ずよりよきところへと導いて下さる手段となるのです。
私たちの耳は神の国からのメッセージは聞こえていないことが実に多いのです。
耳は不要なものは毎日テレビの内容のよくない番組とか、宣伝とかさまざまの人間の雑談、また、都会の騒音などとしてたくさん入ってきます。
しかし、本当に必要な神からの語りかけ、私たちの心の奥に語りかけられる声については、鈍感です。
私たちの耳が開かれるとき、祈りのうちに、また時代を越え受け継がれてきた聖書のような書物からも、また、まわりの青空や雲、野草や樹木たちからもさまざまの神の国からのメッセージが響いてくるように思われます。
そしてまた人知れず苦しんでいる人たちの悩みやかなしみの声のようなものも…。
主イエスは、いつも神の言葉、神の声とともに、世のあらゆる人々の苦しみと悲しみの声をも聞き取っておられたのだと思います。
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望みの失せた者を
あなたの力は人の数によるものではなく、
あなたの主権は強者に頼るものでもない。
あなたは虐げられた者の神、
小さき者の助け主、
弱き者の支え、
見捨てられた者の守り、
希望を失った者の救い主。
(旧約聖書続編 ユディト記 9:11)
Your strength does not lie in numbers, nor your might in strong men;
since you are the God of the humble,
the help of the oppressed,
the support of the weak,
the refuge of the forsaken,
the Saviour of the despairing.
(Judith 9:11 New Jerusalem Bible)
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私たちの神は、弱き者の神。
私たちが人から誤解され、中傷され、あるいは、心傷ついたとき、一層神は私たちの近くに感じられる。
それまで遠くに感じていた神は、私たちが深い弱さの実感のなかで、再び近くに近寄ってきて下さる。元気なとき、自信に満ちていたときの信仰は、どこか傲慢なものが潜んでいます。私たちはしばしばそのような自分でも気づかないような高ぶりが生じて、心が固くなっています。
そのような傲慢をうち砕くために主は、私たちを嘆きの淵や苦しみ、あるいは辱めや過失へと導かれる。時としてもう希望は失われ、深い苦しみに一人さいなまれることがある。
しかし、その時こそ神は、私たちのすぐそばで、支え、導きを与えようとして待っていて下さる。
○ユデト書は、旧約聖書の続編に収められています。続編とは、外典(アポクリファ)のことです。旧約聖書と新約聖書の間の、数百年の間に書かれた文書を外典と言います。 ここにも、神への信仰をもとにしたさまざまの文書が含まれています。
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代々にわたって
それゆえ、代々にわたって次のことを心に留めよ。
神に希望をおく者は決して力を失うことはないと。
(旧約聖書・続編 マカバイ記2:61)
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私たちの現実の生活は、たえず力を失わせるような出来事に満ちています。
最も身近な自分自身をみつめ、また家庭のなか、学校生活、あるいは職業の場、また社会全体、世界の前途など、ただそうした現実だけを見るとき、多くの人々にとって、新しい力が湧いてくるようなことがあるでしょうか。
ある部分ではそのような力を感じる場合があるでしょう。
しかし、全体としてみるとき、私たち自身の本質や社会の現状は、私たちに新しい力を与えてくれるどころか、持っている力まで奪い取っていくようなところがあります。
大きな政治の流れのなかにいると、もう何を言っても無駄だとか、一人二人が言ったところで何になるだろうとか、弱気になってしまうものです。
新聞やテレビなどの記事を読んで、新しい力を得ているなどという人はほとんどないと思われます。
新聞を読むことは、日本や世界のうごきを知るためには不可欠なものです。
しかし、新聞をていねいに読んでしまったあと、かえって何となく力を失ったような気持ちになる人も多いはずです。
それは新聞、テレビなどの記事には、あまりにも罪そのものが多いからです。
そのような力を喪失させるものに満ちた世界のただなかにあって、主を仰ぎ、主に
心を注ぐとき、私たちはまた新たな力が泉のように湧いてくるのを感じます。
そして、これは代々変わらぬ真理であることを知るのです。
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