ことば
(146)「キリスト者であるとはどういうことかね、エヴァ?」
「何よりも一番にキリストを愛することよ」と、エヴァが言った。(「アンクル・トムの小屋」第二六章)
"What is being a Christian,Eva?"
"Loving Christ most of all," said Eva.
○主イエスは、最も大切な戒めとして、「神を愛すること」、「隣人を愛すること」と言われた。信じるということは愛するためには不可欠であるが、信じるだけでとどまっていては深い主の平安は与えられないだろう。人間関係でも、相手を信じることで留まっているのよりは、相手がどうあろうとも、よりよくなることを祈る心、つまり主にあって愛するということへとすすむのが本来であるから。
キリストを何者よりも愛するとは、ほかのどんなものよりもキリストに心を注いでいることでもある。そして愛するからこそ、その声につねに耳を傾けようとするし、語りかけてくる静かな細い声に従おうという気持ちが自然に起きる。そしてそのキリストとは神と同様なお方であるから神の国のあらゆるよきものを持っておられる。そのよき天国の賜物へと心を開いていることでもある。
(147)あなたの悩みをすべて主にゆだねよ、
主はあなたに代り配慮される。
あなたの家族のための心配を
われらの信ずる主にゆだねよ、
主は思い悩むことを好まれない。
しかし、あなたがささげる天に向っての祈りはよろこんで聞き給う。…
あなたを苦しめるために
理由なく苦難が与えられたのではない。
信じなさい、まことの生命は
悲しみの日に植えられることを。(ヒルティ著「眠れぬ夜のために上 三月十五日より」)
○悲しみをわざわざ求めるものはいない。しかし悲しみがなければ、私たちの心は深く耕されないゆえに、神は私たちにさまざまの苦しみや悲しみを与えるのであろう。主イエスも「ああ、幸いだ、悲しむ者! その人たちは神によって慰めされるから」と言われた。
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