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ハルリンドウ 三重県伊賀市 上野森林公園 2013.4.23撮影

ハルリンドウ 三重県伊賀市 上野森林公園 2013.4.23撮影


リンドウといえば、大多数の人々は秋を思いだすと思われます。じっさい、リンドウが取り上げられるのは秋と結びついた状況においてであることがほとんどです。宮沢 賢治の作品にも、秋のイメージのなかで現れます。これは彼の心にもリンドウの深い青紫の花が刻まれていたのを示しています。

…「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ。」カムパネルラが、窓の外を指さして云いました。

 線路のへりになったみじかい芝草の中に、月長石ででも刻まれたような、すばらしい紫のりんどうの花が咲いていました。…(「銀河鉄道の夜」 六 銀河ステーション)

私自身が最も心に残っているリンドウは、昔、学生時代に京都北部の鞍馬から出発し、北山、丹波高原の山々を幾日もかかって越えて、福井県の日本海側まで歩いたとき、その山中―由良川の源流地帯で見いだしたリンドウでした。

けれども、リンドウも春に咲くものがあり、この写真は、三重県の愛農高校で、イースター礼拝での聖書の話をさせていただいたあと、帰途の途中で立ち寄ったところに咲いていたものです。秋に咲くリンドウとちがって草丈は低く、可憐な花ですが、春を告げ、新しい命のフレッシュな喜びがあふれています。大地からこのような美しい色合いの花が生み出される―そこに神の大いなる御手のはたらきを感じます。青い色は広がる大空や大海原の水の色でもあり、神の深みを感じさせてくれる色です。( 文・写真ともT.YOSHIMURA

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