エゾノハクサンイチゲ (蝦夷の白山一花) |
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雨上がりの大雪山系黒岳の頂上近くなったところで咲いていた花。これは、本州中部地方の高山にみられる ハクサンイチゲ(白山一花)の北海道や東北、サハリンなどの高山に分布する変種。 遠くに、雲が晴れていく山々を展望しつつ、純白の花の群生を目にしていると、これらの花々はこのような澄みきった環境できびしい冬の寒さや風雪に耐えて生き延びてきたことを思い、その花の白さが心に沁みてきます。 白い花びらのなかに黄色い雄しべが見るものに語りかけるようなやさしさがあります。 平地の野草とちがって、こうした高山の白い花は、高潔な感がただよい、見る者をして、地上世界の汚れから引き出してくれるものです。 白―それは聖書においても罪の汚れなき状態をあらわすものとしてあらわれます。 |
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キリストが自分の最後が近づいたときに、高い山に3人の弟子だけを伴ったとき、その姿は稲妻のように輝き、衣は雪のように白くなったことが記されています。(マタイ28の3)
また、迫害され死に至った人たちは、天の国にて復活し次のようにキリストとともに生きるものと変えられるのが示されています。 「彼らは、白い衣を着てわたしと共に歩く。勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。わたしは、彼の名を決して命の書から消すことはない… (黙示録3の4-5) どのような教養や学問、経験もあたえることができないものーそれはここに記されているような、清められること、罪からの赦しと清めです。 北国の高山に咲くこの花は、 そのような清められた世界を指し示しているように感じるのです。 (文、写真ともT.YOSHIMURA) |
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