エゾニュウと田沢湖 秋田駒ヶ岳 2013.7.19 撮影
これは秋田駒ヶ岳の山頂部に近い所から、田沢湖を望む風景です。手前右の白い花が、 エゾニュウで、この植物は、1〜3メートルほどにもなり、北国の高山ではよく目立つ花です。北海道北端の礼文島では、利尻富士を望む低い山の斜面にも多くみられ、もう50年数年前の学生時代に北海道の山を登る旅の最初に訪れた礼文島で、一番に目についたもので今もその風景がよみがえってきます。 ここでみられる田沢湖は、秋田県にあり、その湖水の深さが400mを越えて日本では最も深い湖と言われ、その色合いも微妙に変化ある深い藍色〜青色となるということです。この湖は火山の噴火によるカルデラと言われていますが、その成因には不明なところもあるようです。 |
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蝦夷ニュウという名前にあるニュウとはアイヌ語で、こうしたセリ科の大型植物を指していう言葉。セリ科の植物には、春先に私の住む徳島県の低山でもよくみられるセントウソウというごく小さな花をつける高さ20センチ内外の野草から、このような3メートルにも達するような大きいものまでさまざまのものがあり、水辺や湿った田んぼなどにもみられる食用のセリだけでなく、野菜のニンジンもこのセリ科で、なじみ深いものでもあります。 このエゾニュウはこの写真ではわかりにくいですが、大型で、草の仲間としてはどっしりとして力強さのみられるものです。セリ科特有の多くの小さい白い花々を次々と放射状に丸い形に出して、そこから日の光を受けて純白の花は、私たちに親しみをもって語りかけてくる花なのです。 空や湖の青い色、山を覆う真っ白い霧、白い花、そして植物の緑と、変化に富んだ山々の静けさと力…それらすべてに神の力と命、そして限りない美と清さを感じます。 (文、写真ともT.YOSHIMURA) |
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2017年3月 |