マルバウツギ
徳島県小松島市日峰山 2008.5.6
この花は、写真のように、木々や野草の繁った谷筋で咲いていたものです。日もあまり当たらないところですが、それでもこのような純白の美しい花をたくさん咲かせて、星のような美しさをもって見るものに語りかけてきます。
ウツギのなかまはいろいろありますが、これは高さは2メートルにもならないほどの木で花は、1センチほどの大きさのものです。
このウツギは空木と書きますが、茎の中が中空だからです。別名は卯の花というのは、旧暦の卯月(4月)に咲くからで、これは太陽暦では5月となります。
本来のウツギは香りはないのですが、♪〜うのはなの匂う垣根に〜♪
と歌われてきたので、香りがあると間違って思われている場合が多いようです。この歌において、「匂う」とは、古くから用いられてきた意味で、香りがあるという意味ではありません。この場合の語の意味は、広辞苑などでは、「色が目立つ、生き生きとした美しさなどが溢れる。」といった意味があてはまります。
樹木が繁るなかで、ぱっと目に入る白い花、まさに活き活きとした美しさにあふれています。
野生の樹木の花というのは、ほかの時期はごく地味な樹木であるのに、ある時期だけこのように目を引きつけるような花を咲かせるのがしばしば見られます。
人間もこの世に生まれ出たのは、それぞれが何らかの花を咲かせるためであり、 神あるいはイエスの証しとなること、真理の証しとなることこそ花を開くことと言えます。(文、写真とも T.YOSHIMURA)
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