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オニシモツケ   北海道 瀬棚にて       2007.7.14

  (瀬棚とは、奥尻島の対岸にある地域) この野草は、北海道での滞在中、車で移動中に折々に山沿いの地で見られたものです。つぼみは赤みがかった色ですが、花は白色。小さな花をたくさんつけます。高さは、1m2mにもなり、葉も大きく、野生のものは本州では中部以北の深山、北海道とあります。北海道では低い山地にも時々見られたものです。人通りもほとんどないところで、このように静かに咲いている様は、心引かれるものがあります。

 シモツケという名前のついている植物は、ほかにシモツケソウ、樹木にも、シモツケやホザキシモツケなどいろいろあります。この写真の植物はシモツケのなかまの内で大きいので、「オニ」というのが前に付いています。これらに付けられているシモツケとは、その木が、下野(しもつけ)の国、すなわち栃木県で最初に発見されたからと言われます。これらは皆よく似た花の咲き方をしていて、小さな花がたくさん集まって全体としてまた新たな美しさを生み出しています。
オニシモツケ  2008.8.23

オニシモツケ 2008.8.23
 チューリップやスイセンなど、花も大きく一本だけ花瓶にさしてあっても、それ自体で美しさを持っていますが、このシモツケのなかまや、集まり方はちがってはいても、キク科の花やアジサイのように小さい花が集まって全体として花としての美しさを表しているのもあります。
 
人間も似たところがあって、一人だけでもとても歴史に大きい働きをして目立つ場合もありますが、キリスト者が二人三人あるいはもっと多くとも、そうした人々の集まりが全体としてうるわしい花となるように、というのが、神のご意志だと言えます。エクレシア(キリストを信じる人の集まりで、「教会」、「集会」と訳される。)がキリストのからだである、という聖書の言葉はそのことを暗示しています。  (写真、文ともに T.YOSHIMURA