秋の美しさ 2001-10-1
秋は美しい。私はしばしば一年のうちで最も心ひかれる季節だと感じる。それは、一つには枯れていくときの美しさ。
木々や野草たちのなかには、その葉が枯れていくときに、かくも美しい色調と雰囲気を漂わせるのかと驚かされるようなものがある。
また、空気も清澄となり、夜空の星たちの輝きもいっそう澄んできて、夜空を見つめる一人一人への語りかけがよりはっきりとしてくる。
さらには、山には、多くの野草たちがつぎつぎと花を咲かせる。ヤマシロギクや、シラヤマギク、リュウノウギク、ノコンギクなど白や青紫のキクの仲間も
秋に多く見られる。
オミナエシやリンドウは野生のものには最近は出会っていないが、かつて歩いた山において見つけたその場所とか状況が浮かんでくる。その仲間のアサマリ
ンドウとかツルリンドウなどにはときどき出会うことがある。
もう現在では山を歩くことは、時間的に取れなくなり、ときどき山間部を越えてキリスト教の集会に参加する途中で、少し車を降りて観察する程度であるが
、それでも秋の山は多くのことを語りかけてくれるし、かつて出会ったいろいろの野草の花たちを見つけると、私には何十年来の心の友と出会ったような気持
ちになる。
厳しい冬の到来を暗示しつつ、実には赤や黄色などの色がついてくる。その実は実際に小鳥や森の動物たちの冬の食糧として自然によってそなえられたものだが、私たちにとっても、冬の厳しい時のために、美しい紅葉や実りによって私たちの魂への準備をしてくれているかのようである。