休憩室 2003/11
○佐多岬半島と大分での植物
返舟だよりで書きましたように、去年と同様に、十一月の中旬に四国を横断し、松山を経て、九州に向かって長く伸びている、佐多岬半島を通って、大分に渡り、そこから、九州の山地を横切って、熊本に行きましたが、佐多岬半島と大分から阿蘇山にかけての山地にいろいろの秋の植物が見られて、秋の紅葉ととも、神の芸術品を味わうときともなりました。
秋の山には、野菊のたぐいが多く、植物に関心のある者には同じ道であっても、喜ばしいものです。そのなかでも、佐多岬半島にとくに多いのは、リュウノウギクで、真っ白いやや大きめの花を咲かせて、よく目立ちます。徳島県ではあのような群生は見たことがなく、ときたま少し見かけるくらいですが、佐多岬半島では、山の道路の両側にあちこちに群生しており、道行く人に秋を告げ、神への讃美をたたえているように感じました。
また、九州の大分から阿蘇へ通じる山道、竹田市に至る高原の道では、四国ではあまり見かけない黄色の野菊、シマカンギクがあちこちに見かけました。また、赤いカラスウリが手の届かないところに、美しい色を見せていました。その他にも、ヤマシロギクやノコンギク、シラヤマギク、ヤクシソウといった野菊の仲間も見られました。
野菊というと、一つだけと思っている人もいるようですが、野に咲くキクの仲間は数十種類もあって、秋に多くみられます。
また、やはり佐多岬半島の山道で、車道から少し入ったところの自然の水が流れているところで、オランダガラシがあり、だれにも気付かれていないようですが、そのワサビに似た味を久しぶりに味わったものです。
秋の山道は、車で走る場合でも、そうした野生のキクなどの花々とともに、空の青と山の緑と紅葉や褐色や黄色に色づいた木々、そして時折みかける色づいた赤や黒の実をあちこちに目にすることができて、自然の豊かさを強く感じさせてくれるものです。同じ道であっても、植物は絶えずことなる姿を提示していて、飽きることがありません。
時折、車を止めて少しだけ山道を歩くといっそう周囲の草木が近づいて語りかけてくるように感じるものです。
聖書と、歴史と天然、この三つはつねに神の大きな御手のわざを私たちに知らせてくれています。