休憩室
○ヒガンバナ
今年は、観測がはじまって以来最も暑い夏でした。彼岸花が十月になってようやく咲き始めたとか、五十年以上もわが家の山の斜面で群生して咲いてきたヒメヒオウギズイセンという橙赤色の花の咲く植物が、いっせいに枯れてしまったのも初めてのことです。
彼岸花は球根植物です。気温が高いうちは、球根から花芽が出るのがおさえられていたのがわかります。例年は、九月二十三日の彼岸の前後に不思議なほど正確に咲き始めるので名称も彼岸花となっています。
わが家には、近くの小川の岸辺から球根を採取してきたヒガンバナが毎年その華麗ともいうべき花を咲かせています。周囲がまだ緑一面であるのに、真っ赤な花を咲かせるのはとくに目立つもので、庭のアクセントにもなります。
あのような何の変化も感じ取らないように見える球根が、地上の温度を敏感に感じ取って花芽を出すということに、不思議な御手のはたらきを感じさせられます。
私たちは、どんなときに目に見えない花芽を出していくのだろうか。 神の愛の光を受けたとき、そのみ言葉を感じたとき、そこから霊的な花芽が育っていき、その人にふさわしい花を咲かせるのだと思ったのです。